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内部統制を学ぶ実務担当者が参照したい公的資料・実務指針まとめ
はじめに これまでの記事では、内部統制の基本的な考え方、4つの目的、6つの基本的要素、会社法と金融商品取引法の違い、上場会社に求められる内部統制の全体像、内部統制実施基準の改訂について解説してきました。 内部統制の実務では、解説記事や書籍で全体像をつかむことも大切ですが、最終的には、金融庁、企業会計審議会、日本公認会計士協会、e-Gov法令検索、東京証券取引所などが公表している一次資料を確認することが重要です。 特に上場会社の内部統制担当者、内部監査担当者、経理・開示担当者は、J-SOX評価、内部統制報告書、内部統制監査、会社法上の内部統制システム、コーポレート・ガバナンス対応など、複数の制度を横断して理解する必要があります。 本記事では、内部統制を学ぶ実務担当者が参照したい公的資料・実務指針を、用途別に整理します。 1. 内部統制の基本を確認する資料 内部統制の基本を確認する際に、まず参照したいのが金融庁・企業会計審議会の公表資料です。 特に重要なのが、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する
4月8日


内部統制実施基準の改訂で実務はどう変わるか:上場会社が押さえるべきポイント
はじめに 前回の記事では、上場会社に求められる内部統制の全体像として、全社的内部統制、業務プロセスに係る内部統制、決算・財務報告プロセスの関係を解説しました。 今回は、内部統制実施基準の改訂により、上場会社の実務にどのような影響があるのかを整理します。 企業会計審議会は、2023年4月に「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準」の改訂を公表しました。改訂基準・改訂実施基準は、2024年4月1日以後開始する事業年度における財務報告に係る内部統制の評価及び監査から適用されています。 今回の改訂は、単に文言を修正したものではありません。内部統制報告制度の実効性を高めるために、評価範囲の考え方、リスク評価、ITへの対応、内部統制報告書の記載、監査人との協議など、上場会社の実務に関係する重要な見直しが行われています。 改訂の背景 内部統制報告制度は、2008年4月1日以後開始する事業年度から適用され、上場会社における財務報告の信頼性向上に一定の効果を上げてきました。 一方で、制度運用が定着する中で、いくつかの課題も指摘されるようになりまし
4月7日


会社法の内部統制と金融商品取引法の内部統制は何が違うのか
はじめに 前回の記事では、日本の内部統制制度が、会社法に基づく内部統制と、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度、いわゆるJ-SOXを中心に整備されてきたことを解説しました。 内部統制を学ぶうえで、多くの方が最初に混乱しやすいのが、会社法の内部統制と金融商品取引法の内部統制の違いです。 どちらも「内部統制」と呼ばれますが、対象となる会社、目的、求められる対応、監査、開示の位置づけが異なります。 本記事では、会社法の内部統制と金融商品取引法の内部統制の違いを、上場会社の実務担当者向けにわかりやすく整理します。 会社法の内部統制とは 会社法の内部統制は、会社全体の業務の適正を確保するための体制を整備するものです。 会社法では、取締役会設置会社において、取締役の職務執行が法令および定款に適合することを確保するための体制や、会社および企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制について、取締役会が決定する事項として定められています。特に大会社である取締役会設置会社では、これらの体制整備に関する決定が必要とされています。 会社法の内部統制は、財務報告だけ
4月6日


上場会社に求められる内部統制の全体像:全社的内部統制・業務プロセス・決算財務報告プロセス
はじめに 前回の記事では、会社法の内部統制と金融商品取引法の内部統制の違いについて解説しました。 会社法の内部統制は、会社全体の業務の適正を確保するための体制です。一方、金融商品取引法の内部統制は、上場会社の財務報告の信頼性を確保するため、経営者が財務報告に係る内部統制を評価し、内部統制報告書として提出する制度です。 では、上場会社の内部統制実務では、実際にどのような単位で内部統制を整備・評価していくのでしょうか。 上場会社の内部統制を理解するうえでは、次の3つを整理することが重要です。 全社的内部統制 業務プロセスに係る内部統制 決算・財務報告プロセスに係る内部統制 本記事では、この3つの関係を中心に、上場会社に求められる内部統制の全体像を解説します。 上場会社の内部統制は大きく3つに分けて考える 上場会社の内部統制実務では、内部統制を会社全体で一つの大きな仕組みとして捉えながらも、実務上は大きく分けて次の3つの視点で整理します。 まず、会社全体に影響する全社的内部統制があります。これは、経営者の姿勢、取締役会や監査役等の機能、組織体制、規程、
4月5日


日本の内部統制制度はどのように始まったか:会社法・J-SOX・内部統制報告制度の流れ
はじめに 第1回から第3回では、内部統制の基本的な考え方、4つの目的、6つの基本的要素について解説しました。 今回は、日本における内部統制制度がどのように整備されてきたのかを見ていきます。 上場会社の内部統制実務では、会社法に基づく内部統制と、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度、いわゆるJ-SOXの両方を理解する必要があります。 内部統制という言葉は、現在では上場会社の実務に広く定着しています。しかし、制度としての内部統制は、会社法、金融商品取引法、企業会計審議会の基準、内部統制報告制度などが段階的に整備される中で、現在の形になってきました。 本記事では、日本の内部統制制度の流れを、会社法、J-SOX、内部統制報告制度を中心に整理します。 内部統制が注目されるようになった背景 内部統制が注目される背景には、企業不祥事、不正会計、開示情報の信頼性に対する社会的関心の高まりがあります。 上場会社は、株主、投資者、金融機関、取引先、従業員など、多くの利害関係者と関わりながら事業を行っています。そのため、会社の財務情報や開示情報に誤りがあったり、法令
4月4日


内部統制の6つの基本的要素
はじめに 前回の記事では、内部統制の4つの目的である「業務の有効性及び効率性」「報告の信頼性」「事業活動に関わる法令等の遵守」「資産の保全」について解説しました。 内部統制は、これら4つの目的を達成するための仕組みです。ただし、内部統制は、単に承認手続やチェックリストを整備すればよいというものではありません。 内部統制が有効に機能するためには、会社全体の風土や経営者の姿勢、リスクを把握する仕組み、具体的な統制活動、情報伝達、モニタリング、ITへの対応が一体となって機能する必要があります。 内部統制は、次の6つの基本的要素から構成されます。 統制環境 リスクの評価と対応 統制活動 情報と伝達 モニタリング ITへの対応 本記事では、この6つの基本的要素について、上場会社の実務担当者向けにわかりやすく整理します。 1. 統制環境 1つ目は、統制環境です。 統制環境とは、組織の気風を決定し、組織内のすべての者の内部統制に対する意識に影響を与える基盤です。 具体的には、次のような事項が関係します。 誠実性及び倫理観 経営者の意向及び姿勢 経営方針及び経営
4月3日


内部統制の4つの目的とは
はじめに 前回の記事では、内部統制とは、会社の目的を達成するために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスであることを解説しました。 内部統制には、基本的に次の4つの目的があります。 業務の有効性及び効率性 報告の信頼性 事業活動に関わる法令等の遵守 資産の保全 内部統制というと、上場会社ではJ-SOX対応や財務報告の信頼性に目が向きがちです。しかし、内部統制はそれだけを目的とするものではありません。 業務を効率的に進めること、正確で信頼できる情報を報告すること、法令等を遵守すること、会社の資産を守ること。これらは、いずれも会社が継続的に事業を運営し、社会から信頼されるために欠かせない要素です。 本記事では、内部統制の4つの目的について、上場会社の実務担当者にもわかりやすく整理します。 1. 業務の有効性及び効率性 1つ目の目的は、業務の有効性及び効率性です。 これは、会社の事業目的を達成するために、業務が有効かつ効率的に行われるようにすることを意味します。 内部統制というと、「承認を増やす」「チェックを厳しくする」といっ
4月2日


内部統制とは何か?まず押さえたい基本的な考え方
はじめに 上場会社の経理、内部監査、法務、総務、経営企画、情報システムなどの部門では、「内部統制」という言葉を耳にする機会が多くあります。 内部統制というと、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度、いわゆるJ-SOX対応や、監査法人に提出する資料の作成、業務フロー・RCM・チェックリストの整備を思い浮かべる方も多いかもしれません。 しかし、内部統制は、単なるJ-SOX対応や監査対応のための仕組みではありません。会社が健全に事業を運営し、正確で信頼できる情報を報告し、法令等を遵守し、会社の資産を適切に保全するための基本的な仕組みです。 本記事では、内部統制を学ぶ最初の入口として、内部統制の基本的な考え方を整理します。 内部統制とは何か 内部統制とは、会社の目的を達成するために、業務の中に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいいます。 ここで重要なのは、内部統制は「特定の部署だけが行う作業」ではないという点です。 たとえば、次のような日常業務も内部統制の一部です。 取引開始時に取引先審査を行う 一定金額以上の支出について上長承認
4月1日
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